一番言いたいこと:「タイトル決め」は最重要事項

文章に「読み手の興味を引くタイトルを付ける」――これは、別のページで解説している「自分が一番言いたいこと(結論)をしっかりと決める」と同時にやらなければならないことです。

 

タイトルは非常に重要です。タイトル次第で、読み手が興味を持ってくれるかどうかが決まってきます。ブログ、雑誌記事、書籍などでも、工夫を凝らしたタイトルを付けることに多くの労力を費やしています。みなさんも、タイトルに引かれて記事を読んだり、本や雑誌を買うということがけっこう多いのではないでしょうか(もっとも最近では、タイトルで勝負とばかりに、書籍のタイトルを過激にして売り上げを伸ばそうという出版社も少なくないようです。タイトルを見ると面白そうなのに、読んでみると内容は大したことない、という本が批判されていることもしばしばです)。

 

出版社などのプロがタイトルを苦労して付けているのと同様に、プロではない個人であっても、文章を書く場合にはタイトルをどう付けるかに力を入れるのは大事です。

 

そしてさらに、タイトルを考えるという行為は、実は、「自分が一番言いたいこと(結論)をしっかりと決める」こととほぼ同じなのです。一番言いたいことが決まっていれば、おのずとタイトル案も浮かんでくるでしょう。逆に、タイトル案が浮かばないということは、その文章で何が言いたいのか、何を主張したいのかがはっきりとしていないということです。その場合はあらためて、自分が何を言いたいのかを考えてみましょう。

 

もっとも、言いたいことが決まっていても、最初から「これだ!」という魅力的なタイトルはなかなか出てこないかもしれません。ですので、初めは仮のものでもかまいません。最初は仮のタイトルを付けておき、一通り文章を書き終わった後で、よりよいタイトルをじっくりと考えればいいのです。

 

文章の種類、読む相手で「よいタイトル」は変わる

 

さてでは、具体的にはどのようなタイトルがよいのでしょうか。上には「自分が一番言いたいことが決まれば自然とタイトルも決まってくる」と書きましたが、実際、どのようにそれを表現するかということになると、その文章の種類や目的、読む相手によって、かなり違ってきます。

 

いくつかのパターンに分けて考えてみましょう。「会社の企画書」、「転職の際の志望動機書」、「国際経済に関する小論文」、「個人のブログ」の4種類の文章を書くとします。それぞれのタイトル例です。

 

(例1)そのまんま標題タイプ

 

(会社の企画書)「新規事業企画の件」

(転職の志望書)「私の志望動機」

(経済の小論文)「国際経済について」

(自分のブログ)「今日のデキゴト」

 

(例2)具体性を高めたもの・自分の主張も入れる

 

(会社の企画書)「新顧客データ収集エンジンで農業分野進出」

(転職の志望書)「仏語での折衝力を新規事業で生かしたい」

(経済の小論文)「5年後にTPPは本当のメリットを生む」

(自分のブログ)「F1かと思った、今日のバス」

 

例1のような、「〜の件」「〜について」でもOKの場合もありますが、やはり一般的には、例2ぐらいまで具体性を高め、自分の主張(一番言いたいこと)を入れるのがいいと思います。

ちなみに新聞記事のタイトルは、具体性はありますが、大半は主張がありません。新聞の役割は、まず客観的事実を伝えることでしょうから、「何が、どうした」だけでタイトルを作ることが多いようです。

たとえば、

 

「マイクロソフト、新OS発売」

「日経平均、10日連続上昇」

 

というようなタイトルが基本です。これはブログには応用しやすいですね。

 

「クラブの先輩がゴールイン!」「新宿3丁目で激ウマ手羽」

 

といった感じでしょうか。(「激ウマ」には、ちょっと筆者の主張が入っているかもしれません。)

 

次です。

 

(例3)広告風に盛り上げてみたもの。具体性がやや消えているのもあります。

 

(会社の企画書)「我が社のEP技術が日本の農業を変える」

(転職の志望書)「会社に新風と旋風を巻き起こします」

(経済の小論文)「世界経済復興から取り残されるな」

(自分のブログ)「一緒に来た、最高と最悪の瞬間」

 

ちょっとやり過ぎというのもあるかもしれませんが、まあ、こんな風にもできるということで。

これらに共通しているのは「変える」「巻き起こす」「取り残される」「最高と最悪」といった刺激的な言葉です。上手に使えば効果的ですが、使い過ぎには注意しましょう。具体性が消えているのもマイナスポイントです。

 

(例4)なんだか思わせぶりな抽象的タイトル

 

(会社の企画書)「決断」

(転職の志望書)「決断」

(経済の小論文)「決断」

(自分のブログ)「決断」

 

抽象的な言葉は何にでも使えます。4種類、全然違うジャンルの文章ですが、全部「決断」というタイトルでもいけそうです。ただ、文章の中に、文章とタイトルがうまく絡んでいる、つまり、何らかの納得できる、あるいは感動できる「オチ」が必要です(「決断」という言葉を中心に盛り上げる必要があるということです)。

 

この他にもいろいろパターンがあると思いますので、またあらためてまとめ直します。

 

また、文章に付けるタイトルは、1つだけの場合もあれば、サブタイトルも付けたりする場合もあります。必要な場合は上記(例1)〜(例4)を適宜組み合わせることになります。

逆に、これらの組み合わせをうまく使うことによって、効果的で面白いタイトルを作り出すことができます。

 

余談です。

タイトルは重要です。ただ、世の中にはタイトルが付いていない文章もけっこうあります。朝日新聞の「天声人語」などもそうですね。個人的意見ですが、「天声人語」にタイトルが付くと、もっとわかりやすいコラムになるのではないかなどと思っています。付けるの難しいのかな。

■まとめ

タイトルは超重要。基本は「具体性」。ただその他にもいろいろな技法がある。