文章において「表記を統一する」のも基本ルールの一つです。
「表記」とは何か。代表的なものを、以下、解説します。
●漢字で書くか、ひらがなで書くか
「わかる」or「分かる」
「さまざま」or「様々」
「気がつく」or「気が付く」
「身につく」or「身に付く」
「めざす」or「目指す」
「〜するなか」or「〜する中」
「とくに」or「特に」
「ほしい」or「欲しい」
「ところ」or「所」
「よい」or「良い」
「ない」or「無い」
「おいしい」or「美味しい」
「こども」or「子ども」or「子供」 etc.
まだまだたくさんありますが、漢字で書くか、ひらがなで書くか、悩ましい言葉がたくさんあります。どちらが正しくてどちらが間違いということはありません。ただ、少なくとも、1つの文章においては、いろいろな書き方が混じらないように、使い方を統一したいものです。
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「補助動詞」と呼ばれるものはひらがなで書くのが普通です。代表的なものに「みる」があります。
X「食べて見る」→ ○「食べてみる」 この「みる」は、実際に目で見る意味ではないので、漢字にはしません。
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基本的には、ひらがなの方が漢字よりも柔らかい印象を与えるようです。ただ、それほど難しくない言葉でもひらがなでばかり書くのは、あまりお薦めできません。あまりにひらがなが多いとやや幼稚な印象を与えます。
「たべた」→「食べた」、「おちた」→「落ちた」 etc.
もっとも、これらも時と場合によります。フォーマルな文書の場合は、あまりひらがなばかりにならない方がいいですが、個人のプログなどでは、基本は自由でしょう。わざとひらがなを多く使っているブログも見かけます。
また、やはり読み手によっても許容範囲が違うでしょう。個人の「好き嫌い」を予測するのは難しいですが、フォーマルな文書の場合、「漢字が多過ぎる」「ひらがなが多過ぎる」「カタカナが多過ぎる」などと思わせないように気を配る必要もあります。
●漢字の送り仮名
「表す」or「表わす」
「少ない」or「少い」
「懐かしい」or「懐しい」 etc.
これらも、どちらが間違いということはありません(「懐しい」は間違いという意見もあります)。1つの文章の中で統一して使うことが大事です。
●漢字かひらがなか、数字か
「ひとり」「一人」「1人」これも悩ましい。
「ひとつ目は」「一つ目は」「一つめは」
「350人」「三百五十人」「三五〇人」 etc.
●記号かカタカナか
「%」or「パーセント」
「cm」or「センチ」or「センチメートル」 etc.
●半角か全角か
手書きの場合はほとんど関係ありませんが、パソコンで書く場合、特に数字やアルファベットは、全角と半角がありますので、どちらを使うか、考えておかなければなりません(カタカナにも半角がありますが、ほとんど使いません)。
これはまた、書く文章が横書きか縦書きかでも変わってきます。
横書きの場合は、数字もアルファベットも半角がいいのではないかと思います。縦書きの場合、半角だとうまく文字が並ばないこともあるので注意が必要です。
「Standard」or「Standard」
「1200円」or「1200円」
●記号類の使い方
「1200円」or「1,200円」
「10am」or「10AM」or「10a.m.」or「10A.M.」
●数字の書き方
「35000円」or「3万5000円」or「35,000円」or「3万5,000円」
●「」と『』
二重カギ括弧『』は、書籍・雑誌名、映画名、テレビ番組名など、なんらかの作品に使うことが多いようです。
また、「」の中にさらにカッコが必要な時も『』を使います。
いずれも、「絶対こうしなければならない」という決まりはありません。でも、何らかの基準がほしいという場合はどうしたらいいでしょう?
新聞社や出版社では、表記に関して会社の基準を定めています。朝日新聞社では表記の基準を本にして販売していますので、こうしたものを参考にするのもいいでしょう。
また、インターネットで新聞社の記事を検索して、どのような表記を主に使っているのかを調べて参考にするのもいいと思います。ただし、最近では、新聞社のサイトを見ていても、複数の表記がけっこう入り混じっているようにも見受けられます。ネットの普及で、新聞記者だけでなく、フリーライターや著名人など様々な人々の原稿が飛び交うようになり、昔に比べ表記の自由度がアップしたのかもしれません。
いずれにせよ、あるまとまった文章の中では、意図する場合を除き、表記を統一するのが基本です。
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