主語・述語:1文の中に複数の動詞がある場合

(例文1)あまりよくない例。

 

 この体験型イベントでは、超小型3Dモニタなど

最新の機器を展示し、実際に体験してその先進性を

理解することができます。

 

この文章、どこがおかしいでしょうか。もしかしたら日本語としてはぎりぎりセーフかもしれません。

 

でも厳密に見ると、文の中にある3つの動詞「展示し」「体験して」「理解する」の主語が統一されていない点がちょっと問題です。

「展示」するのは、イベントの主催者でしょう。でも、「体験して」「理解する」のはイベントにやってきた参加者です。

このように、主語が違う動詞が1つの文に混在するのはあまりよくありません。でもこれは意外とやってしまいがちなミスです。

 

ではどうすればいいか。

 

(例文2。例文1の修正例①)

 この体験型イベントでは、超小型3Dモニタなど

最新の機器を展示し、実際に体験してその先進性を

理解してもらいます。

 

これは、最後の部分を変えたもの。「理解することができます」を「理解してもらいます」にしています。「展示し」の主語(というか動作の主)であるイベントの主催者に合わせました(真ん中の「体験して」は見た目は形は変わっていませんが、「体験する」から「体験してもらう」という意味に自動的に変わっています)

 

例文1の場合

主催者→展示し

主催者→体験して X

主催者→理解する X

 

例文2の場合

主催者→展示し

主催者→体験して(もらう)

主催者→理解してもらう

 

(例文3。例文1の修正例②)

 この体験型イベントでは、超小型3Dモニタなど

最新の機器が展示されており、実際に体験してその

先進性を理解することができます。

 

これは、最初の動詞「展示し」を「展示されており」に変えたもの。

 

これ、説明が難しいですね。主語をそろえた、というわけでもありません。「展示し」を「展示されており」に変えることで、前半部分と後半部分の「関係性を変えた」とでも言えるでしょうか。この文の場合、前半部分の主語を挙げるならば「最新の機器」ですが、後半の「体験して」「理解する」の主語は、文の中には書いてありませんが、イベントの参加者です。ですのでこの例文3でも、文中の複数の動詞の主語がそろっていないのですが、文としておかしくはありません。例文1の場合、3つの動詞が同等のもののように並んでいるのに主語が違うという点が問題だったのです。でも、例文3の書き方だと、前半と後半が意味的に分かれているので、大丈夫になります(もっといい説明を思い付いたら、またアップします。すみません)。

 

例文1の場合

主催者→展示し

主催者→体験して X

主催者→理解する X

 

例文3の場合

最新の機器→展示され  ←ここで意味が切れることが読み手に伝わる

参加者→体験して

参加者→理解する

 

また、例文2と例文3では、誰が誰に情報を伝えようとしているのかが変わっている点に注意してください。

例文2はイベントの主催者がイベントの内容を説明している文章。

例文3は、イベントの主催者でもいいし、新聞記者などの報道関係者、あるいは実際に行ってみた人による説明、などでもOKな文章です。

 

もう少し別の修正例を。

 

(例文4。例文1の修正例③)

 この体験型イベントでは、超小型3Dモニタなど

最新の機器を展示。参加者は実際に体験してその先

進性を理解することができます。

 

1つの文だったものを2つに分け、2つ目の文に「参加者は」と主語を付けました。これがゼッタイ正解というわけではありませんが、私はこういう風に書くのがクセになっています。主語が同じでない場合は、文を切ってしまうという手法です。

 

ほかにも修正の仕方は考えられます。読む人にとってどんな文が「わかりやすい」かを常に考えましょう。

 

■まとめ

1つの文の中に複数の動詞がある場合、それぞれの主語に注意を。