難しい言い回し:「背景には」「背景として」「という背景が」

文章を書いていると、この言葉はよく見かけるけれども使い方が難しい、と感じることがあります。そんな言葉、言い回しをいくつか取り上げていきたいと思います。

 

今回は、「背景」です。

 

以下、インターネットでGoogle検索してヒットした、「背景」を含む文をランダムに挙げてみました。

 

“その背景には〜”

 

 「その背景には、 欧州全体の競争力向上のためには、城内競争で消耗し、 欧州が弱体化しないよう、EUレベルでの効率のよい空間バランスを追求する必要性が高まったことがある。」

 ⇒いきなり難しい文章ですが。。。「その背景には〜がある。」というパターンが見えてきそうです。

 

「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというもの。」

 ⇒ちょっと意味としてOKか、微妙な感じがします。これは直訳したものでしょうか。ただ、「その背景には〜が存在する」というパターンは上と同じようです。

 

「その背景にはいくつかの理由がある。」

 ⇒やはり「その背景には〜がある」という、同じ構造です。でもこの文、「それにはいくつかの理由がある」でいいんじゃないかな? 無理に「背景」という言葉を使わなくても。

 

「その背景には、データやエンターテインメントなどのサービス関連事業を中国市場に普及させようとするアップルのしたたかな戦略があるようだ。」

 ⇒これも、「その背景には〜がある」という構造。これも「背景」って使わずに、「そこには」でもいいかも。

 

★「その背景には(名詞あるいは名詞的なもの)がある。」というパターンが見られます。

★あと、「背景」という言葉を使わなくてもいいのではないか、というパターンも見られます。

 

次。似てますが、検索ワードを変えて、

 

“その背景は〜”

 

「英国のEU離脱。その背景は?」

 ⇒なるほど、クエスチョンマークで終わる場合ですな。Googleで検索するとほとんどこの使い方ばかりです。

 

あと、

「その背景は不明である。」「その背景は様々である。」「その背景は複雑である。」「その背景は曖昧である。」など。

 

探し方が悪いのかもしれませんが、「その背景は」の後に、具体的な名詞などが来るケースはほとんどありません。

 

例えば、「その背景は株価の暴落である。」などとは言わないのでしょう(こうした使い方をしているのが数件ありましたが、あまりよくないように思えました)。「その背景には株価の暴落がある。」ならいいと思います(上の方で解説した使い方)。

 

もう少しいってみましょう。

 

“その背景として〜”

 

「その背景としては、すでに述べた通りですが、MLPが輸送、貯蔵、処理を担う商品の価格(原油、天然ガス、天然ガス液などの価格)が上昇してきたこと、エネルギー・セクターに対する投資家心理が回復してきたこと、資金調達環境が改善したことが挙げられます。」

 

 ⇒「その背景として、(  )が挙げられる」「その背景として、(  )が考えられる」といったパターンがありそうです。

 

で、ほかにもGoogleで検索するといろいろ出てくるのですが、だんだん複雑になってきてしまいました。

また、別の回で続きをやります。

 

いずれにせよ、個人的には、「背景」という言葉は難しいので、極力使わないようにしています。

 

*ちなみに、別のページでも解説しますが、Googleで検索する場合、検索語をダブルクォーテーションマーク(" ")でくくると、その検索語にぴったりの語で検索できます。たとえば、「その背景には」という検索語を入れただけでは、「背景」を含む検索結果がものすごくたくさん出てきてしまいますが、「"その背景には"」とダブルクォーテーションマークでくくると、「その背景には」という6文字の言葉と完全に一致するものだけがヒットするようになります。ちなみにダブルクォーテーションマークは半角でも全角でも大丈夫のようです。私は念のため半角でやってます。

■まとめ

「背景」という言葉を使う時は、意味、用法をよく考えて。