難しい言い回し:「背景」と「理由」

前回「理由」を、前々回「背景」という言葉を取り上げました。

 

で、なぜ私がこの2つの言葉に引っかかりを感じているのか、思い出したことがあります。

この2つの言葉の意味がごっちゃになっている例がけっこうあるように思えるからです。

 

(例文1)

 日本の景気低迷が続いている。背景にあるのは、少子

高齢化による市場の縮小と世界的な経済不安を反映した

円高だ。

 

もっともらしい文章を書いてみましたが、テキトーです。

この中で「背景」と使っていますが、あまり意味を考えていません。「背景」って一体何でしょう?

手元の国語辞典(三省堂大辞林)を見ると、

①絵画や写真で,主要な題材の背後の光景。後景。バック。「―に森を描く」

②舞台正面の奥などに描いた景色。書き割り。

③物事の背後にひそんでいる事情。「事件の―」

④背後にあって物事を支えている事柄。「強大な経済力を―とした圧力」

とありました。

 

(例文1)の場合、③に当てはまるかもしれません。ただどうも、個人的には好きになれない表現です。

 

(例文2。例文1を書きなおしてみたもの)

 日本の景気低迷が続いている。少子高齢化による市場

の縮小と、世界的な経済不安を反映した円高がその原因

と考えられる。

 

(例文2)では、「背景」をやめて「原因」という言葉でまとめてみました。

 

(例文1)も間違いではないとは思いますが、(例文2)のように書く自信がない時についつい書いてしまう書き方、という感じがしなくもありません。本当は「原因」や「理由」と書く方がはっきりしているのに、そこまでストレートに書きにくいのでつい「背景」という表現を使ってしまった、という。。。

 

まあ、でも、(例文1)でもOKでしょうか。それっぽい感じはするので(そもそも、こういう内容の文章はあまり意味がないということかもしれませんね)。

■まとめ

「背景」を、「理由」や「原因」の意味で使う場合は、覚悟の上で。